今回は、顕正新聞 平成29年5月1日号より、大阪会館着工当時の様子を紹介いたします。
お待たせ着工、大阪会館 18本の杭大法城を盤石に
大阪市城東区にある大阪会館の工事がいよいよ始まり、4月10日から12日にかけて杭打ちが行われた。5月の連休明けには基礎工事が終わり、夏頃には鉄筋2階建ての勇姿を現す予定である。完成を待つ地元学徒の声を取材した。
4月12日午前9時、大阪会館の建立用地には、直径約30センチ、金属製の5、6メートルの杭が何十本も並べられていた。工事が始まると、重機で次々と杭が打ち込まれていく。
すでに現場には、数名の法友が様子を見に来ていた。隣の櫻井さんが、「あの杭を見てください。一本一本、『浄土真宗』と書いてあるんですよ。浄土真宗の杭を打ち込んでいるんです!」と指さしながら教えてくれる。
1本の杭の長さは、溶接でつなぎ合わせて約18メートル、本数も全部で18本という。
「阿弥陀仏の18願を聞く会館らしいでしょ。構造計算をしたらピッタリ18本になったそうです。これぞ真宗万年の礎ですね」と櫻井さんは誇らしげに語る。
工事関係者も、「この仕事を何十年もやっていますが、こんなに毎日、身をのり出すように見学に来られる現場はなかった。私たちも気が抜けないんですよ」と苦笑い。
午後3時半、無事に杭打ちが完了し、六字の城の基礎固めができた。
建立委員長は、「これから何十年と会館を支える杭が、今、大阪の地に打ち込まれたと思うと感慨ひとしおです」と語る。
会館用地は6年前より探してきたが、「これは」といえる土地は、まれだった。一昨年に見つけた格好の場所も最終段階で話が流れ、皆が落胆する中、ようやく見つかった聖地である。
大阪会館建立用地の発見時については、こちらをご覧ください。
その後も、議論白熱の建立会合、騒音を心配する近隣住民への対応など、幾多の困難が待っていた。
報恩に燃えな あかん
それでも建立委員長が奔走するのは、会館を望む大阪学徒の熱い思いを背負っているからだ。
吹田市のある夫妻は、「教えが知りたくて、かつては京都の本願寺まで月2回、法話を聞きに通っていたんです」と語る。何度通ってもぼんやりした話ばかりで、チラシを見て参加した親鸞会の仏教講座に目からウロコの思いがしたという。
大阪には、真宗寺院が1500近くあり、寺院数は全国第2位である。「大阪は浄土真宗の町であり、親鸞聖人のみ教えを知りたい人は、たくさんいてはります。それらの人にようやく弥陀の本願を徹底するホームグラウンドができるんです」と目を輝かせる。
自転車で市内どこでも聞法に出掛ける西淀川区の60代男性も、建立に大きく寄与する一人だ。
「親鸞・蓮如両聖人が喜ばれる建立大事業、今が勝負やと思うてます。大阪は、かつて信長と10年戦って負けなかった、石山本願寺のあった場所です。平成の親鸞学徒も報恩に燃えなあかん」と力を込める。
織田信長と戦った石山合戦については、こちらをご覧ください。
9月末の完成を目指し、大阪の親鸞学徒はさらに団結して建立に向かっている。
編集後記
「1本の杭の長さは、溶接でつなぎ合わせて約18メートル、本数も全部で18本」という阿弥陀仏の本願との深いご縁を感じる大阪会館です。
着工し地面に杭が打たれたときは、真実の杭が打たれたように感動しました。
これからも浄土真宗大阪会館で、一緒に聞法させていただきましょう。