今回は顕正新聞平成11年8月1日号の高森先生の大阪城ホールでのご縁について紹介します。
関西の地に甘露の法雨 蓮師ゆかりの大阪城ホールで開催
新緑が梅雨に濡れる6月27日、大阪城ホールで親鸞聖人関西降誕会が盛大裡に開催されました。高森先生は『教行信証』の一節、「悲しき哉、愚禿鸞、愛欲の広海に沈没し……」を通して、聖人ご生誕の意義、人生の目的を懇切にご教示なされ、関西の地に甘露の法雨を注がれました。
大阪城ホールは大阪城公園内にあります。同所は蓮如上人の大阪御坊建立の地であり、「大坂」は蓮師のご命名によるといわれます。当日は午前8時の開場とともに、多くの親鸞学徒が聞法に訪れました。
大坂の由来は、下記も参考にしてください。
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午前9時30分から正信偈の勤行が開始されました。
会場に大きく『正信偈』も文字が掲げられました。
人生の目的をご教導
高森先生は、全人類の最大事「なぜ生きるか」を親鸞聖人・『正信偈』の「已能雖破無明闇」を通してご説法くださいました。人生の目的は無明の闇・後生暗い心を破ることにある。
続いて、
貪愛瞋憎之雲霧
常覆真実信心天
譬如日光覆雲霧
雲霧之下明無闇
教行信証行巻(正信偈)
を引用して、無明の闇と煩悩との相違点を鮮明にされます。
さらに、弥陀に摂取されてハッキリ知らされる自己の相を、聖人の『教行信証』のご文で教えられました。
誠に知んぬ、悲しき哉、愚禿鸞、愛欲の広海に沈没し、名利の大山に迷惑して、定聚之数に入ることを喜ばず、真証之証に近くことを快まず。恥ず可し、傷む可し
『教行信証』信巻
無上の妙法を全身に浴びた参詣者は、それぞれの感動を語っています。
「とても分かりやすく聞かせていただきました」(奈良県・女性)
「初めてですが、若い人が大勢しかも熱心、感激しました」(広島県・男性)
「無明の闇は自己の相がハッキリしない心、とのお言葉がとても心に残りました」(男性)
ご説法は英語通訳もされ、アメリカ・ユタ州出身の高校生は、「仏法を聞くのは初めてですが、無明の闇と煩悩の違いの説明がよく分かりました」と仏縁を結んだ喜びを述べていました。
降誕会前日には『世界の光・親鸞聖人』上映会も
降誕会恒例の体験発表は兵庫県の今村さんです。
今村さんは、夫の病気を苦に、先祖供養の邪宗に迷っていたといいます。5年前、真実の仏法を聞き始めたあと、やがて阪神大震災に遭います。一朝にして何十人もの死体が眼前に横たわる凄惨な情景に、火宅無常を説く仏法の真実を知らされ、邪教と絶縁して親鸞聖人の教えを聞き求めました。本年3月、姑の葬儀の日に、実弟の訃報が届き、更なる無常に真剣な聞法を決意した体験を披露しました。
気持ちの込もった発表は聴衆に深い感銘を与えました。
降誕会前日の二十六日(土)は『世界の光・親鸞聖人』上映会が大阪城ホールで開催されました。
午後1時から『世界の光・親鸞聖人』第5部、3時から第6部(完結編)と連続で上映され、前回の倍以上の一般参加者がありました。
感想の幾つかを紹介します。
(第5部)
「当時の信徒の求道心の強さに心を打たれた」「何度も見たいくらい、よかった」
(完結編)
「初めて見ました。よかったです」「胸にジーンと来ました」「善鸞を勘当してまで、一向専念無量寿仏を徹底される聖人のお姿を拝見し、心が動かされました」
関西降誕会、まさに親鸞聖人から人生の目的を徹底してご教示いただく勝縁となりました。
編集後記
関西で行われる降誕会では、仏法を聞法できた喜びがいつも伝わってきます。
大阪会館では定期的に、講師による御法話が開催されています。
親鸞聖人に明らかにされた人生の目的を、大阪会館で共に聞かせていただきましょう。