令和6年1月14日に大阪会館で今崎先生のご法話が開座されました。
今回はご法話の内容の一部を紹介します。
自力廻向は否定されている
お経を読んだら死んだ人が浮かばれる、死んだ人の功徳になると言われますが、
私たち凡夫に、差し向けられる、与えられるようなものはないと親鸞聖人は教えられています。
私たちが死んだ人に対して何かをやること、線香を立てたり、蝋燭を立てたり、お経を読んだりすることが、功徳があると思い、私たちが死者や、仏様に差し向けようとすることを、自力廻向といいます。
親鸞聖人は私たちに差し向けられるようなものはない、と自力廻向を否定されました。
聖人が廻向とおっしゃるのは、すべて他力廻向です。
他力の間違い
他力というと、世間では間違った意味で使われています。
世間では、他力をどんな意味で使っているのでしょうか。
他人の力、他国の力、などを他力と言われています。また他人の車に乗せてもらって移動することを、他力と言う人もいます。また他国の力や自然の力を他力とも言われています。
しかし他力とは、人の力でも、他国の力でも、自然の力でもありません。
親鸞聖人はこのように仰っています。
他力とは
他力というは、如来の本願力なり。
教行信証
他力とは阿弥陀如来の本願のお力のみをいいます。
それ以外は、他力と言ってはいけません。
他力、阿弥陀仏から私たちに廻向、廻向とは与える。
阿弥陀仏が、私たち、みなさんに、差し向けてくだされることを他力廻向といいます。
2つの贈り物
阿弥陀仏が2つのものを廻向してくださいます。
阿弥陀仏が私たちに2つのプレゼントを下さる。
『教行信証』教巻の冒頭には、次のように教えられています。
「謹んで浄土真宗を按ずるに、二種の廻向有り。一には往相、二には還相なり」
浄土真宗とは、阿弥陀仏の本願。
阿弥陀仏は、本願に、2つの廻向を約束されておられる。それは「往相」と「還相」の2つです。
阿弥陀仏は、「往相」と「還相」の2つを与えてくださいます。
教行信証では、このお言葉のあと、ずっと往相と還相について教えておられます。
編集後記
往相とは「往生浄土の相状」の略で、阿弥陀仏の本願に救われて、いつ死んでも極楽往生間違いない身(往生一定)になったことをいいます。
還相とは「還来穢国の相状」で、阿弥陀仏の本願に救われ浄土往生した人が、娑婆界(穢国)に還って衆生済度(苦しんでいる人々を救う)の大活躍をすることです。
私たちが本当の幸福になるために、とても大事なことを教えていただきました。
これからも引き続き、大阪会館で深く聞き学ばせていただきましょう。