令和5年7月2日3日大阪会館親鸞聖人降誕会

令和5年7月2日、3日に浄土真宗大阪会館で降誕会が開催されました。

親鸞聖人降誕会とは、親鸞聖人のご生誕を祝してつとめられるご法筵(ほうえん)をいいます。

今回は、今崎先生のご法話の内容を簡潔に共有します。

目次

演題:白骨の御文章

白骨の御文章には、このように書かれています。

それ、人間の浮生なる相をつらつら観ずるに、凡そはかなきものは、この世の始中終、幻の如くなる一期なり。
されば未だ万歳の人身を受けたりという事を聞かず。一生過ぎ易し。
今に至りて、誰か百年の形体を保つべきや。
我や先、人や先、今日とも知らず、明日とも知らず、おくれ先だつ人は、本の雫・末の露よりも繁しといえり。
されば、朝には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり。
既に無常の風来りぬれば、すなわち二の眼たちまちに閉じ、一の息ながく絶えぬれば、紅顔むなしく変じて桃李の装を失いぬるときは、六親・眷属集りて歎き悲しめども、更にその甲斐あるべからず。
さてしもあるべき事ならねばとて、野外に送りて夜半の煙と為し果てぬれば、ただ白骨のみぞ残れり。
あわれというも中々おろかなり。
されば、人間のはかなき事は老少不定のさかいなれば、誰の人も、はやく後生の一大事を心にかけて、阿弥陀仏を深くたのみまいらせて、念仏申すべきものなり。
あなかしこ あなかしこ

引用:白骨の御文章

今崎先生に教えていただいたことを、一部紹介します。

我や先、人や先

我や先、人や先、今日とも知らず、明日とも知らず、遅れ先立つ人は、本の雫・末の露よりも繁しと言えり。されば、朝には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり。

私たちは、他人が先に死んで、自分はまだ死なない、と思っており、ともすれば永遠に自分だけは死なないかのように思っていますが、蓮如上人は、まず「我や先」と言われ、「私が死んでから、人が死ぬのだ」と教えられています。

そして「本の雫・末の露よりも繁し」とは、葉の先からしずくがポタポタと沢山落ちていくように、毎日沢山の死んでいく、人生が終わっていくことを言われているのです。

1秒間に何人もの人がなくなり、日本では、生まれてくる人よりも死ぬ人の方が多くなっています。いつまでも死を他人事のように思っていますが、いつか自分が死ぬ側で数えられる日がくる。そして「朝には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり」と言われているのは、朝「行ってきます」と言って家を出ていったけれども、夕方になると、冷たくなっている、死んで帰ってこれなくなることがあると教えられているのです。

だれも今日は自分が死ぬ日だと思って家を出ません。元気にただいまと言って帰ってくると、皆思っているでしょう。

ですが、自分の都合とは関係なく、今日が自分の死ぬ日になることだってありえるのです。

無常の風

さらに蓮如上人は次のように教えられます。

すでに無常の風来たりぬれば、すなわち二つの眼たちまちに閉じ、一つの息ながく絶えぬれば

私が死ぬことを「無常の風来たりぬれば」とたとえられています。

私たちの命は、風前の灯火であります。部屋の中のロウソクの火は、ロウソクの長さが短い方から先に消えていきますが、風の吹き荒れる場所にあるロウソクの火は、ロウソクの長さに関係なく、どれが消えてもおかしくありません。

私たちの命も、無常の風に吹かれたら、年齢に関係なく、死は目の前にやってくるのです。

後生の一大事

無常の世の中で、私たちは、何をすべきなのでしょうか。

蓮如上人は次のように教えられています。

誰の人も、はやく後生の一大事を心にかけて

「後生の一大事」とは、生死の一大事ともいいます。

私たちは、生まれたら、必ず死なねばなりません。一息切れたら後生です。死ねばどうなるのでしょうか。死後は有るのか、無いのか。有ればどんな世界なのか。真っ暗がりではないでしょうか。

この後生暗い心を無明の闇といいます。

未来が暗いままで、現在だけ明るく生きることはできません。これほどの問題はないので、一大事と教えられています。

この後生暗い心を破って、後生明るい心になることが、人生の目的なのです。

聞法の一本道

どうすれば後生明るい心にさせていただけるのか。

それは「聞く一つ」と教えられます。

阿弥陀仏の本願を重ねて重ねて聞かせていただくことで、無明の闇を破っていただき、後生明るい心になれるのです。

続けて聞法させていただきましょう。

編集後記

親鸞聖人降誕会が浄土真宗親鸞会大阪会館で二日間開催されました。

1階の講堂には入りきれず、二階の会議室なども使って、関西に住む親鸞学徒が真剣な聴聞に身を沈めました。

忙しい日々ですが、人生の儚さが知らされ、自分の人生を改めて振り返るご縁となりました。

これからも人生の目的を果たさせていただくために、大阪会館で真剣な聞法に励みましょう。

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