令和5年3月23日 今崎紀代講師の勉強会

3月23日に今崎紀代講師の勉強会がありましたので、紹介いたします。

今回は親鸞聖人の教えとは何か、聞かせていただきました。

目次

親鸞聖人の教えとは

今年は親鸞聖人御生誕850周年ですが、親鸞聖人が一番喜ばれることは、親鸞聖人の教えを正しく知り、教え通りに正しく生きることです。

親鸞聖人はどのようなことを教えていかれたのでしょうか。

親鸞聖人は、常にこのように話をされていました。

更に親鸞珍らしき法をも弘めず、如来の教法をわれも信じ人にも教え聞かしむるばかりなり

引用:御文章1帖目第1通

如来の教法とは「お釈迦様の教え」ということです。

仏教は、約2600年前にお釈迦さまが35歳で仏の悟りを開かれてから、80歳でお亡くなりになるまでの45年間説かれた教えです。

なぜ今、お釈迦様の教え、つまり親鸞聖人の教えを聞かせていただかねばならないのかというと、私たちにとって一番知らなければならないことを教えられているからです。

それは

「なぜ生きる」

「人生の目的」

です。

人生の目的は、何かというと、変わらない幸せになることです。

今日の言葉でいうと、絶対の幸福、無上の幸福です。

では変わらない幸せとはどのような幸せでしょうか。

無上の幸福とはなにか

お経には書かれていませんが、今日の言葉でわかりやすくいうと、人生の目的は絶対の幸福と言います。

お経の言葉では、「信楽」(しんぎょう)とあります。阿弥陀仏のお言葉です。

お釈迦様のお言葉では、「信心歓喜」。明るい心、喜びの心を、信心歓喜と仰っています。

親鸞聖人は、「現生不退」と仰っています。浄土真宗のお坊さんで現生不退を聞いたことないという人は、何を聞いとるんだ、と言われるくらい有名な言葉です。親鸞聖人の教えを表す言葉の1つです。現在生きている今、不退転に住すという意味です。現在生きているとき、崩れない、退かない、変わらない幸せになれると、親鸞聖人は生涯教えられたのです。

絶対の幸福とは、お経に書かれていませんが、信楽、信心歓喜、現生不退を、私たちにわかるように今日の言葉では絶対の幸福のことと教えられています。

お勤めの時の真宗宗歌には「永久のやみよりすくわれし」とあります。これは「永久のやみよりすくわれた!」ということ。

「浄土真宗の教えを聞いても、この世で救われる、崩れない幸せになれるということはない」という人がいますが、それは真真宗宗歌も知らない、現生不退も知らない、信楽の心も知らないということです。

このような幸せになれるお釈迦様の教えとは、どのような教えでしょうか?

阿弥陀仏の本願

親鸞聖人は正信偈にこのように教えられています。

如来所以興出世
唯説弥陀本願海

引用:『教行信証行巻』(正信偈)

「如来」とはお釈迦様のこと。

「所以興出世」は、この世にお生まれになられた目的は、ということです。

つまり、お釈迦様が地球上にお生まれになられて、仏教を説かれた目的は、という意味です。

仏教と聞くと、今日でも沢山の宗派があり、多くのことをお釈迦様が説かれたように思いますが、親鸞聖人は「唯説」と教えられています。唯一、ただ一つのことを説かれるためだったと言われています。

何を説かれるためにお生まれになったかというと「弥陀本願」と仰っており、阿弥陀仏の本願一つを説くためであった、と教えられました。

「海」は、阿弥陀仏の本願を海に譬えられているのです。

阿弥陀仏の本願を海に譬えられた理由

阿弥陀仏の本願の特徴が、海の特徴と似ているので、海になぞらえて「本願海」と書かれています。

この地球上でもっとも広いのが、海です。割合でいうと陸地が3で、海が7。阿弥陀仏の本願も「すべての人を救う」という弘い誓いを建てられています。

また海は海底が非常に深く、1万メートル以上のところもあります。阿弥陀仏の慈悲は底なしで、どんな罪深い人でも助けると誓われていますので、阿弥陀仏の本願を深い海で表されています。

また海は川の水が最後行きつく終帰という特徴があります。たとえば淀川の水が最後行き着くところは、大阪湾の海です。今は仏教を聞いていない人であっても最後は阿弥陀仏の本願に行き着くと教えられています。

さらにどの水も海に入れば同じ味、一味になります。阿弥陀仏の救いには差別がなく、一味平等の心の世界に救ってくださるのです。

このように広く、深く、終帰、一味という海の特徴が、阿弥陀仏の本願と似ているため、「本願海」と海になぞらえて正信偈で教えてくださっています。

編集後記

今回は勉強会の最初の一部のみを紹介しました。

阿弥陀仏の本願について、最近のニュースを交えながら、詳しくわかりやすく教えていただきました。

阿弥陀仏の本願の特徴は、一つ一つ深い内容ですので大阪会館で講師の方に質問してみてくださいね。

大阪会館では勉強会やご法話のご縁が定期的に行われていますので、引き続き阿弥陀仏の本願について聞かせていただきましょう。

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