今回は大阪の親鸞学徒、ツナさんを紹介します。
プロフィール
ツナさんは、1979年6月生まれ。
名古屋に4歳までいて、その後、大阪市都島区に引っ越しました。
どのような家族ですか?
(ツナさんの回答)
両親と、兄の4人家族でしたが、2017年に父が亡くなりました。
父は、建築会社の営業マンでしたが、家では口数は多くなく、あまり会話はしていませんでした。阪神ファンで、何度か甲子園に連れて行ってもらったのが思い出です。一方めちゃくちゃお酒を飲む人でしたが、暴れたりすることはありませんでした。病気になっても痛みに強く、我慢強い人でした。
反対に母は、よく喋る人で、心配性でしたがよく私たち兄弟に心をかけてくれています。今は母と一緒に暮らしています。仲良くしています。母との思い出は、私は小さい頃から体が弱く、あまり外に出られなかったので、料理をつくっている母の背中が思い出されます。
兄は、性格が自分と似ている一方で、とても賢く、よく勉強を教えてもらいました。
どのような子どもでしたか?
4歳で腎臓の病気になり、しばらくほとんど外に出られなかったのもあり、とても内向的な性格でした。
小学校も、2年生から3年生は、あまり学校にいけず入退院を繰り返し、病院の院内学級に通っていました。
中学、高校卒業まで、体育の授業も不参加で、クラブも部活も入れなかったので、家と学校の往復でした。
一方で、人間関係はとても良好で、ほとんど問題はありませんでした。学校にはあまり行っていませんでしたが、友達に困ったということはありません。
学校が終わった後、運動はしませんでしたが、自宅に友人を呼んだり、友人の家に行ったりして、テレビゲームをして遊んでいたのは覚えています。
進路はどのように決めました?
大学は行けるところでいいという感じで決め、近畿大学に進学。
大学ではサークルに入り、引き続き友人関係も良好で、ゼミも順調、不自由なく、楽しく過ごしました。
大学卒業まではほとんど何も問題なく生きて来たように思います。
就職に苦労
しかし卒業間際になって、やりたいことがないことに気づき、、就職活動に苦労しました。
志望動機が全く書けず、書こうとしても手が止まってしまいます。働かないといけないことはわかっていましたが、どこで働いてよいのかわからなくて、どうしても書けませんでした。
そこで自分のここまでの人生をゆっくり考えました。
病院にとてもお世話になったので医療系の仕事に携わってみようとやっと決めることができ、志望動機を書きました。
あまり多くの人と接することは苦手だったので、営業は嫌でしたが、最終的には医療系の営業になりました。
仕事を続けることに苦労
1社目の就職が一番苦しかったです。
思っていた通り、営業は向いていませんでした。
人と接するというより、どうしても自分に都合の悪い報告があげられず、ミスがバレたときにめちゃくちゃ怒られました。
このとき、営業に向いてないとわかり、東京に転勤となりました。
東京で数年働きましたがそれでもあまり仕事になじめず、最終的には転職することになります。
しかし東京の暮らし自体も自分には合わなくて、やはり大阪に戻りました。
その後も何度か大阪や東京で転職しましたが、営業職でどうしても続きませんでした。
そこで営業職を辞めようと再度転職した頃には、32歳になっていました。
このとき人生をもがいていて、なかなか思い通りに行きませんでした。
いろいろな縁があって、今の就職支援の業界に転職しました。
仏教を聞いたきっかけは?
転職してしばらくして、就職支援の業界を知るようになりました。
基本的に、どのような人の相手をしなければならないかというと、
・メンタルに問題をかかえている
・人生をあきらめている
・ハンディキャップがある人
など、普通の人ができることができず、社会に生きづらさを感じている人たちです。
こういう人たちに会い、悪い影響を受けることで、逆に支援側の人たちのメンタルが壊れていくことに気づきました。このことで相談されることも多く、なんとか、自分もつぶれないようにするにはどうしたらいいかインターネットで調べていたところに、仏教に出会いました。サークルHPから申込み、勉強会に参加したのです。
仏教・親鸞聖人の教えで一番関心があった内容はなんですか?
因果の道理の話を聞いてとても感動しました。自分の人生がなぜうまく行かないのかがやっとわかりました。
勉強会の内容で、退職についての話がありました。
辛い仕事を辞めることは悪いことではないが、辞めた理由を、まわりのせいにしていないか。辞めるという選択をするのも自分自身。選択したことのプラスもマイナスも自分が受け入れなければならない。
そこで改めて自分が会社を辞めた原因を考えていくと、自分にも悪かった点があったことに気づきました。100%会社が悪いわけではなく、会社には会社の言い分がある。
このときに、やっと自分の行為に目が向きました。
はじめて冷静になれたように思いました。ただ仏教は厳しく、本当は聞きたくなかったというのも本音です。
仏教を聞き続けようと思ったのはなぜ?
仏教を常に聞いてないと、他人のせいにばかりしていた以前の自分に、また戻るような気がして怖くなりました。
何度も因果の道理を聞き、自分の行動を見つめ直す機会にしないといけないと思っています。
仏教が自分のことを言われているようにしか思えませんでした。
また仏教を聞いてから、数年後、父が亡くなりました。
亡くなる直前の姿をみたとき、人生の儚さを強く知らされました。死について以前よりも意識するようになり、父が自分に無常の説法をしてくれたと思います。
大阪会館について、どう思いますか?
大阪会館がいつもとてもきれいに保たれていて、看守のみなさんには感謝しかありません。
駅近くで、市内からも行きやすく、周囲もうるさくなく、立地が良いように思います。
大阪会館を休ませている時間はもったいないと思うので、もっと使わせて頂けるように案を出していきたいと思います。
若い子たちが、挑戦して失敗できる場であったり、楽しめるような環境にしたいです。
今後の抱負
安定して、淡々と、一歩一歩、仏教を聴聞していきます。
編集後記
ツナさんは、大阪会館の子供部屋で、子供たちと全力で遊んでいる姿がとても印象的です。
子供部屋から出た後も、子供たちがツナさんの後を追いかけてきます。
大阪会館でのイベントでは、よく料理担当をされ、参加者に料理を振る舞っています。
浄土真宗親鸞会大阪会館でツナさんを見かけましたら、ぜひ声をかけてくださいね。